更新日:2024年12月17日
省エネ基準、認定低炭素住宅、長期優良住宅、ZEH(ゼッチ)はどう違うのか。今や時代は省エネやエコとなっています。車はもちろん、電化製品、ごみ袋などありとあらゆるものが省エネやエコを意識して作られています。そのような中、住宅も例外ではなく、「省エネ・エコ」という設計を住宅に反映して作られてきているのが最近の住宅事情となります。
住宅の省エネやエコというと「断熱材の性能」などが主に挙げられますが、基準も色々とあり、一般の人には聞きなれない一次エネルギー消費量やゼッチ(ZEH)、低炭素住宅など専門用語が多数出てきます。今回は一番分かりやすい形で省エネ基準やゼッチ住宅、長期優良住宅と断熱材について解説していこうと思います。
まずは省エネ住宅とはどのような住宅かを把握しておきましょう。省エネ住宅には主に2つの基準や考え方があります。『外皮性能基準』というものと『省エネルギー住宅』というものになります。いきなり聞きなれない言葉がでてきたと思いますが難しく考える必要はありませんのでご安心ください。以下に分かりやすく解説していきます。
外皮性能とは断熱性能の事です。断熱性能は家の中の気温をどれだけ保てるかが重要になってきます。分かりやすく例えると「水筒や魔法瓶の性能」と考えておいてください。冬場や夏場に職場や学校に水筒を持っていく人は多いと思います。水筒は一日中外に出してあり常温で使用すると思います。そのため水筒内の飲み物が外気に左右されないように水筒の断熱性を考え作っているのです。
住宅も同じように室内の温度が外気の温度に左右されないように断熱材の性能を上げて作る必要があります。断熱性能を高める事により室内の温度が均一となり、エアコンなどの冷暖房器具の使用をできるだけ控え、電気などの使用量をいかに抑えるかが重要なポイントになってくるのです。この性能の事を外皮性能基準と呼んでいるのです。
「外皮性能基準=断熱性能=水筒、魔法瓶の性能」このように覚えておきましょう。
省エネルギー住宅とはいかに少ないエネルギーで住宅を運用できるかという考え方になります。断熱性能が非常に良くてもエアコンや換気扇がオーバースペックで電気などのエネルギーを大量に使用するのであればせっかくの断熱性能も上手く活用できていない形になります。エネルギーに関しても色々とあり、電気はもちろんの事、ガス、水道、灯油など様々です。
これらのエネルギーを上手に少なく使用して生活できる住宅が省エネルギー住宅と呼ばれるのです。分かりやすく言うと燃費の良い住宅という事になります。省エネルギー住宅=燃費の良い住宅と覚えておきましょう。
断熱性を調べる上で「UA値」というものは切っても切れない値になります。UA値とは「外皮平均熱貫流率」のことです。ここでまた聞きなれない言葉が出てきましたが大丈夫です。前述した水筒や魔法瓶で考えてみましょう。水筒の形も色々あると思います。大きさや長さ、形状など様々です。水筒の中身から熱が逃げやすい場所はどこでしょうか。当然密閉されていない飲み口付近になります。
それではこの水筒のスペックを考えてみましょう。水筒自体は密閉式ですが飲み口付近は熱が逃げやすい構造になっています。そのためこの水筒の性能を数字示すには飲み口付近の熱が逃げる量と密閉された本体における熱が逃げる量の平均値をとる必要があります。この平均値が「UA値」になります。
整理しますと住宅の外壁や窓、玄関、屋根などから熱が逃げる量を数値化して住宅の外回り全体の面積で割り、平均値を出したものがUA値になります。このUA値は数値が低ければ低い程、熱が逃げにくく燃費が良い住宅と言えますので今後省エネ住宅を検討されている人は以下のように考えておいてください。
UA値=低ければ低いほど住宅の性能が良い
但し、日本は北から南まで気温の差が激しい地域が多数あります。自分が住んでいる地域の断熱地域区分をしっかりと把握した上でUA値の検討をしましょう。
住宅の断熱材は色々とあります。代表的なものが4種類ほどあります。ひとつは昔から使用されているグラスウールやロックウールという無機繊維素材の断熱材になります。二つめは木質繊維系のセルロースファイバーという断熱材になります。3つめは天然素材系の羊毛や炭化コルクになります。そして4つめに発砲プラスチック系の断熱材になります。細かな成分や材質はそれぞれ特徴がありますので自分の目で確かめて採用していく事をおすすめします。
無機繊維系断熱材はグラスウールとロックウールなどがあり、グラスウールはガラス繊維系の断熱材となります。一方ロックウールは呼んで字のごとく玄武岩などの鉱物を原料とした繊維系の断熱材になります。どちらも断熱性能や吸音性、安全性、耐火、耐久性に優れた断熱材になります。
木質系繊維の断熱材はセルロースファイバーと呼ばれ主原料は古新聞や古紙などの紙を再利用した断熱材になります。自然素材になりますので人体への安全性も非常に優れており、断熱性能も非常に良いものになります。
羊毛(ウールブレス)や炭化コルクと呼ばれる天然素材系の断熱材は調湿力や防虫効果なども優れていますがコストが割高な事と対応できる業者がまだ少ないというのが実情です。
発砲プラスチック系の断熱材は石油製品となり、品質も一定で安定した素材になります。断熱性能はもちろん吸音性や結露対策にも優れています。代表的な名称としてポリスチレンフォームや硬質ウレタンフォーム、フェノールフォームなどがあります。種類によっては非常に高価なものもありますので資金計画などに注意しましょう。
それではそれぞれの基準の断熱材の種類や厚みなどを解説していきたいと思います。各基準は色々な種類がありますが、今回は代表的とも言われる4つの省エネ住宅の断熱材の素材や厚み、性能について触れていきたいと思います。ここでの解説は基準を得るための基本的な厚みや性能について解説していきますが間取りや窓の大きさによっては断熱材の厚みなどが変わる場合がありますので充分にハウスメーカーと打合せをしてみてください。
UA値の値が一番低く設定されているのが省エネ基準の建物になります。現在では一般住宅においても断熱性能の説明義務があります。一番性能が低いとも言われますがこの性能以下の建物も世の中には沢山存在しています。確かに断熱性能は高性能タイプの断熱住宅にはかないませんが安価に建築する事が可能な住宅になります。下表の断熱材の仕様やサッシの仕様を参考にしてみてください。省エネ基準クリアの建物とは現在の建築基準法でいう最低限のUA値0.75w/㎡・kをクリアした建物になります。
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