更新日:2024年12月17日
長期優良住宅とは長期にわたり建物を使用する上で、安心して暮らしていけるための措
置をした建物になります。7つほどクリアしなければいけない基準があります。
クリアする条件として劣化対策がありますが、ここでは構造体が数世代にわたり使用できる構造とする必要があります。現在では必ず土台や地上1mまでは防蟻処理をしますのでほとんどの住宅が適合していると言えるでしょう。但し、基礎の配筋などは規定があるため注意が必要になります。
耐震性能とは呼んで字のごとく地震に対する措置をしているかどうかという事です。建物の構造計算をキチンとして耐震等級1以上であれば問題ありませんができれば3等級はとっておきたい所です。しかし、2階に吹抜などが大きくある場合は耐震等級3をクリアするのは難しくなってきますので間取りの検討にも注意が必要になります。
長期性能住宅でいう維持管理とは後々メンテナンスしやすい建物である事が条件になり
ます。そのため通常では設置しないベランダ下の点検口や給排水管ダブルにするサヤ管
という物が使用されるようになります。
居住環境とは安心して暮らすことができるように防犯性能や防音などに関して配慮しているかという点です。特殊な設備をつける必要はありませんが半樹脂サッシや1階部分に雨戸や防犯ガラスなどは採用しておいた方が良いでしょう。
長期優良住宅の建物の床面積には下限が設けられています。最低建物面積75㎡(22.64坪)以上の建物で、かつ1つのフロア部分が40㎡(約12坪)以上であることが条件になってきます。そのため狭小地での建築においては床面積を満たすように工夫が必要になってきます。
維持保全計画とは内装など劣化の早い部分に対して定期的にメンテナンスを行うための
貯蓄計画になります。年間6万円を10年貯蓄していく事が条件になります。建物のメンテ
ナンス費用は利用状況や建築場所にもよりますが10年でメンテナンス費用が約60万円程
度かかると見込まれています。
長期優良住宅=省エネルギー性能住宅の断熱材にてクリア
長期優良住宅の建物の床面積には下限が設けられています。最低建物面積75㎡(22.64坪)以上の建物で、かつ1つのフロア部分が40㎡(約12坪)以上であることが条件になってきます。そのため狭小地での建築においては床面積を満たすように工夫が必要になってきます。
長期優良住宅の省エネルギー性能は断熱等級4以上が必須となります。断熱等級4とは前述している省エネルギー性能を満たしているかという事になります。そのためUA値に関しては省エネ基準の建物と同等の0.87w/(㎡・k)以上であればクリアとなります。そのため過度に断熱性能を上げる必要もありませんのでご安心ください。ここで断熱等級に関して分かりやすく解説しておきましょう。断熱等級とは省エネルギー法が決まった年により等級が分けられるようになります。下記に例を挙げておきますので参考にしてみてください。
低炭素住宅とはこちらも呼んで字のごとくの内容になります。炭素=2酸化炭素=CO2この物質の排出を抑えた自然環境に優しい住宅になります。住宅というのは住んでいく上で多くの二酸化炭素を放出するようになります。住宅自体からはあまり排出されませんが一番大きいのが「電気」になります。電気の使用量が多い住宅になると発電所より二酸化炭素が沢山排出されてしまいます。
このため電力の使用をできるだけ抑えた住宅が低炭素住宅と言っても良いでしょう。低炭素住宅の基準の中には敷地や屋上・壁面の緑化なども含まれています。色々な基準を満たした上で低炭素住宅と呼ばれるのです。
低炭素住宅において必ずクリアしなければいけない項目が2つあります。それが「定量的評価項目」と「選択的項目」になります。また分かりにくい内容がでてきましたが、こちらも内容は単純です。定量的評価項目とは省エネルギー性の住宅である事及び電力使用量の少ない住宅設備機器を使用することになります。省エネルギー性ではUA値0.75w/(㎡・k)にて問題ありませんが、住宅設備機器については通常の機器ではなく省エネ性の高い物の使用になります。
そのため節水型の蛇口や省エネエアコン、LED照明などが必須となってきます。注意したいのが昨今流行っている「造作洗面台」です。これは色々な組み合わせで洗面台を作っていくため、輸入品などの蛇口を使用すると基準がクリアできない可能性がありますのでご注意ください。
低炭素住宅=省エネルギー性能住宅の断熱材にてクリア
次に選択的項目ですがこちらは節水対策の便器や雨水井戸の有効活用、太陽光発電システム、HEMS(ヘムス)と呼ばれる電力のマネジメントシステムの導入、前述した緑化、建物自体の低炭素化(木造住宅等)これらの項目を2つ以上クリアする必要があります。詳細は色々とありますので資金計画に注意しながらクリア項目をよく検討してみましょう。また、注意点として市街化調整区域では認定低炭素住宅の申請は出来ませんのでこちらも併せて注意しましょう。
最後にZEH住宅の説明になります。ZEH住宅とはネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの頭文字をとった物になります。どのような住宅かというと、単純に電力などは自分で作り、管理して使用する住宅になります。そのため太陽光発電システムや蓄電池の設置などは必須項目となってきます。また、それらの電気を作り出す容量も建物の内容に合わせて適切かどうかも審査内容になってきますので「ただ太陽光発電を使えば良い」というわけではありませんので注意しましょう。
ZEH住宅は自分で電気を作り出す住宅となりますが、ただ電気を作り出すだけだとエアコンなどの無駄遣いが多くなってしまいます。そのため断熱性能に優れた住宅を作る必要が出てきます。断熱性能はこれまでの省エネルギー性能ではクリアできません。UA値としては0.6w/(㎡・k)以下が必須となってきます。現在ではこの基準も断熱等級4として表示されますが令和4年からはZEHの基準が断熱等級5として組み込まれる予定になります。
そのためこれまで最高ランクであった断熱等級4は最低ランクとして位置づけされる可能性があります。それではUA値0.6w/(㎡・k)の建物の断熱材とはどのような形になるのでしょうか。代表的な断熱材を下表に記しますので参考にしてみてください。各断熱材の厚さはUA値をクリアするために通常は非常に厚くなってきます。その為施工性が悪くなるなどの問題点があります。しかし実際には断熱材のメーカーも非常に多くあり、各メーカーにより断熱材の厚さを薄くする代わりに繊維や樹脂の密度を濃くしてクリアしていますの「断熱材が薄いのでは?」と感じても問題ありませんので安心してください。
ちなみにグラスウールなどでは高性能グラスウールがあり、10K、16K、24Kなど色々な種類があります。(数字の値が大きいほど断熱性能が良い)また、住宅会社においても施工性をあげることや、コストパフォーマンスを考え、色々と試行錯誤をしています。その為住宅会社にZEH仕様で頼んでもキチンと対応してくれますので安心してください。
ZEH住宅 | ZEH住宅 | クリアUA値 0.6w/ | クリアUA値 0.6w/ |
天井断熱(厚み) | 壁断熱(厚み) | 床断熱(厚み) | |
グラスウール | 280mm | ||
ウレタンフォーム | 156mm | ||
ポリスチレンフォーム | 250mm | ||
サッシ種類 | |||
リクシルサーモスL | Low-Eにて対応可能 | Low-Eにて対応可能 | Low-Eにて対応可能 |
YKK エピソードII | Low-Eにて対応可能 | Low-Eにて対応可能 | Low-Eにて対応可能 |
三協アルミ MADIOJ | Low-Eにて対応可能 | Low-Eにて対応可能 | Low-Eにて対応可能 |
省エネとZEH住宅では断熱性能の差が大きいことが分かったと思います。ZEH住宅よりも高性能になるとHEAT20などのUA値が0.2w/(㎡・k)クラスになってきます。省エネ基準の半分以下の数値となりますので、断熱材やサッシも非常に高性能になってコストも増えてきます。体感温度も5℃程度違ってくる場合もありますのでこれを機会に色々と調べてみるのも良いと言えます。建築会社によってはオープンハウスやモデルルームにて省エネ基準前、省エネ基準、ZEHなど実体験してもらっているところもあります。
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